電気工事の中ではポピュラーな作業である、電柱上やホール上での作業の際に必要な柱上安全帯(胴綱)を紹介いたします。
電気工事士のみなさんならすでにご存知でしょうが、一般の方は柱上安全帯や胴綱と聞いても、何のことだかわからないかもしれませんが、一般の方でも電柱上で電力会社の社員が作業しているところをご覧になったことがあると思います。
最近ではバケット車と呼ばれる高所作業車を使用して行うのが一般的になってきましたが、山間部などのバケット車が使用できないようなところでは今でも人が登って作業を行うのが普通ですから、電力会社の社員は電柱上での作業を行うための講習を受講し、電柱上での作業手順や安全対策について勉強しています。
そんな中でも最も重要視されるのが柱上安全帯、通称胴綱の扱い方です。
電柱上での作業の際には柱上安全帯(胴綱)に身を任せて両手を離して作業を行いますから、柱上安全帯(胴綱)の破損などがないように、作業前点検は入念に行う必要があります。
仮に、ロープ部分に切り傷や解れなどがあると、電柱上で柱上安全帯に身を任せた際に、ロープが切れたり解けたりして転落事故に直結しますし、結果として大きな事故となってしまいます。
運よく、命を取り留めたとしても、入院加療は避けられないでしょう。
柱上安全帯の損傷による転落事故の場合前から落ちるのではなく後ろ向きに落ちるのが普通ですから、受身を取ることもできませんから、転落=重大事故ということになりやすいのです。
私も、数多くの現場で電柱上で作業してきましたが、柱上安全帯に対しては細心の注意を払うようにしています。
普通の電気工事店では柱上安全帯の使用頻度はさほど高くありませんから、一度購入すると十年以上買い換えないというところも多く、思わぬ事故を招くことにもつながっているようで、毎年のように何名かは電柱上から落下しているようです。
柱上安全帯だけでなく一本吊り専用安全帯なども同じですが、作業車の中に保管しているだけでロープなどの劣化が進み、もろくなっていることも多々あることですから、いくら使用頻度が低いからといって、十年以上経過したものは使用を控えるほうが賢明だと思います。
見た目以上に熱や紫外線による劣化は進んでいるものですから、見た目だけの判断はとても危険なことなのです。
何より使用する人間の命をあずけるけるものですから、いくら注意してもやり過ぎだということはありませんから、万全の上にも万全なものを使用するようにしたいものですね。
そうすることが結果的にコスト削減や作業の効率化につながり、悲惨な労災事故の撲滅につながると私は考えるのですがみなさんはいかがでしょうか?
それでは何種類か柱上安全帯(胴綱)をご紹介しておきましょう。
藤井電工(TSUYORON)
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一般的な電気工事士としての仕事の中ではさほど多くない柱上での作業ですから、電力会社関連の仕事をしているようなものは必要ないと思いますので、その意味からこの胴綱で十分だと思います。
マーベル(MARVEL) |
マーベル(MARVEL) |
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柱上安全帯を紹介しましたが、労働安全衛生法が改正され、これまでの腰ベルト式ランヤードや胴綱の使用範囲が限定されたので、各メーカーとも製造販売を抑えているので、ドンドン数が少なくなってきています。
いずれは、販売が無くなるのではないかと危惧しています。